カンガエゴト
ちょっと昔のアルバムを久しぶりに聴くと
それをよく聴いてたころのことを思い出す。
だいたい音楽を聴くのは登下校中の電車の中で、
その時間はあれこれ考え事する時間でもあった。
なんにも変わってないつもりでいるんだけど、
昔あんなに心を支配してた感情は、今はない。
この曲の歌詞に自分を重ねていたなあ、とか
だいたいこの駅に着く頃にいつもこの曲が流れてたなあ、とか
思い出すんだけど、他人事のような気もする。
ずっと同じなようでいて、
毎日毎日、私は違う人間に生まれ変わっているんだね。
誰にも言わずに自分の中で溜め込んで
1人苦しみぬいてきたあの時の私のことは
誰にもわかるはずない。
わかってあげられるのは自分だけ。
わかっているつもりだし、忘れたくないんだけど、
実はもうとっくの昔に忘れてしまっているような気にもなる。
わかっているなら、どうしていつまでも同じ気持ちでいられないのだろう。
あの時あんなに強く心に誓ったのに。
わかっていたけど、忘れたんだ、もう。
自分がこうやって違う人間になっていくのが、怖い。
昔の私は、ずっと耐えていたのに、報われなくて、忘れられていくばかりで、
惨めで、虚しくて、まるで無意味で、あまりにも可哀相。
忘れてないよ、そう私に言いたい。
あの時の何もかもを覚えているよ。
私を裏切るようなこと、私がするはずないよ。
たまに、こんなことを考えて泣きたくなる私です。